このぶどうをのせている木、鼻をくっつけて匂いを嗅いでみると、
まだ微かにリンゴの香りがします。

リンゴの木は、ドイツのどこかの家の庭からバスティへと譲られたもの。
(木材としてはあまり流通していないそうです。)
バスティからのすてきなおくりものは背中のリュックに詰められて一緒に旅をし、
沖縄の我が家のテーブルへやって来ました。

ドイツでは、リンゴの木が植えられている庭をたくさん見かけました。
収穫しきれなかったのでしょうか。
リンゴが庭から小道へごろごろ転がり出ていて、
まるで絵本の中を散策しているようでした。

彫刻のようで、ほれぼれするほどかっこいいユーカリの実。
帰省していたとき、友人が紙にくるくるっと包んで渡してくれたものです。
時と共に少しずつ色が抜け、ドライな質感へと変化しています。

色もかたちも、どうしたらこんなにすごい姿になるのでしょう。
蕾から花が咲くまでの様子は毎日驚きの連続。
(だって、この細い棒のような中からいろいろ出てくるんです。)

南アフリカ原産。この迫力にも納得。
(沖縄でも一年を通して育つのか実験中の植物のひとつです。)

ほそいほそい花びら——実際は花びらではなく雄しべだそうですが——
まさにブラシ。瓶をごしごし洗えそうな見た目通りの名前、ブラシノキ。
生けてみるとすぐ花がぼそぼそ落ちてしまうので
こういう飾り方には向かないのかもしれないけれど、
落ちた花もまた絵になるなと思います。

ここのところ、あじさいの花もちらほら咲きはじめました。
蕾は淡い淡い水色と薄緑のグラデーションで、日に日に濃くなっています。
4月の終わりに雨が降りすぎて梅雨が遠のいたのか、最近はよい天気が続きます。
でも、あじさいにはやっぱり雨が似合う。

「釣ってませーん。」
ユニオン(生鮮食品店)で買ったミーバイです。
このてんてん模様があまりにもかわいくて買ったミーバイですが、味もとても美味。
釣ったばかりだと、もっと模様が違うのでしょうね。
海で泳ぎながら魚の模様や形を見ていても、
散歩中に木や花、鳥や蝶、とんぼにカエル……
自然の色やかたちの美しさといったら、なんとも言えません。
嫌われ者の蛾だって、よく見るとくりくりの目にふさふさのゴージャスな胸元。
(飛び方が良くないのか、こんなにも嫌われなくてもいいのにな。)

学生のころよく通った雪山では、樹々にまあるくこんもりと雪が積もり、
今でもその美しさを時々思い出します。
波乗りを始めてからは、海面に浮かびながら見る明け方の空や
沈んでいく夕日の色に、いつも心が洗われます。
自然が生み出す色やかたちは、どうしてこんなに完璧なのでしょう。
きっとそれぞれに意味があって、
生き残るために気が遠くなるような歳月をかけ、進化しながら
今ここにある。
そんなことをふと思うと、ひとつひとつがよりいっそう愛おしく感じられます。
鮮やかな緑がどんどん芽吹くこの季節、
そんなことを考えながら歩いたり、たまに走ってみたり、海に浮かんだりしています。
・・・・
CALEND OKINAWA(2012–2017)での連載より
