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FROM HADANA


はなぞのこどもえん | 宮古島市


 
「はなぞのこどもえん」は沖縄本島から約310kmの南の島、自然豊かな宮古島市にあります。
沖縄県で初の新築の幼保連携型認定こども園「はなぞのこどもえん」がこの4月、ついに完成しました(2015年)。
僕の仕事はもちろん、お庭をつくることでした。まずは「はなぞのこどもえん」のお庭、園庭をどんなふうにするのか、園長の新城久恵先生とお話をさせていただきました。最初から先生のコンセプトはゆるぎないもので、見栄えのいい、かっこいい整ったものじゃなくていい、子どもたちが感じる庭をつくってほしい。
先生の子どもたちへの思いはまさに海洋生物学者・作家レイチェル・カーソンの著書「The Sense of Wonder」でした。
 
子どもたちへの一番大切な贈りもの
美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性「センス・オブ・ワンダー」を育むために、子供と一緒に自然を探検し、発見の喜びに胸をときめかせる
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。
レイチェル・カーソン著 上遠恵子訳 新潮社『センス・オブ・ワンダー』より抜粋
 
ただ運動をするためだけの園庭ではなく、自然界だけが創り出すことができる形、色、香り、感触…、木の実や食べられる花を見つけたり、やわらかくて、やさしい緑色の新芽を見つけたり、ハーブの香りに気づいたり、花や果樹に集まる虫や鳥、それらからいろんな発見をし、喜び、胸をときめかせてほしい。
新城先生にはじめて会った時から、僕たちは新城先生が大好きになりました。おおらかで、明るくて、前向きで、元気で、溢れる笑顔には人柄の良さがにじみ出ていました。
 
お話をいただいた日比野設計+幼児の城は 全国でも例を見ない、幼児施設に特化した建築設計事務所で、子どもの環境をつくるプロフェッショナル集団です。これまでに関わった園舎数は350にもなり、日本全国に及びます。
この日比野設計+幼児の城の日比野拓さんも担当者の真栄城嘉敦さんも園庭をとても重要だと考えていて、皆同じ方向を見ながら進んでいきました。担当者の真栄城嘉敦さんは沖縄県出身。沖縄の気候や風土、地域の特性もよくわかっていて神奈川県と沖縄県を毎週行き来しながらいろんな調整をしていただきました。

こんなすばらしい人たちに囲まれ、宮古島での庭づくりがはじまりました。
しかし天候のこと、建築の進行状況、宮古島でも植物を手配していたので、その植物の保管方法、本島から搬送する植物、搬送の仕方、重機の手配、離島ということで心配なことは山のようにありましたが、できるところから、一年をかけて準備を行い完成に至ました。
静かに過ごせる場所、思いきり走りまわれる大空間、本をゆっくり読める部屋、基地のような小部屋。裸足でかけ回れる芝生、食べれる果樹がなる樹々、花に集まってくる虫や鳥たち。おいしそうな料理ができあがっていく厨房、先生たちの様子が外からよく見えるガラスの壁の園長室。強い日差しを適度に遮り風が抜ける花ブロック。スコールが少々降っても外で遊べる大きな庇、開放的で心地よい風が抜け子どもたちのいきいきとした笑顔あふれる「はなぞのこどもえん」。年月を重ねるうちに、木々は大地に根付き枝葉をのばし、木陰をつくり、心地よい風を園舎に運ぶでしょう。花を咲かせ実をつけ鳥たちをよび、きっと子どもたちに神秘さや不思議さに目を見はる感性を授けてくれるでしょう。
 
子どもたちをいつまでもこの場所で見守りながら。